少年法は二者択一の問題ではない
Netflix 『未成年裁判』レビュー/実話/結末/レビュー
言葉に鋭い匕首が刺さり冷やかさを感じさせるが、
その言葉の中に暖かさがにじみ出るシム・ウンソク判事役の
キム・ヘスの演技が際立ったNetflixドラマ『未成年裁判』。
少年犯を嫌悪すると言うシム・ウンソク判事。
しかし嫌いで憎んでいても、少年のために裁判官として最善を尽くし冷静さを維持し
色眼鏡をかけずに法の審判を下すという話です。
時にはもどかしい内容によって熱くなったりもしましたが、
一歩下がって見つめれば結局少年犯の問題は
皆が関心を持って解決しなければならない問題です。
過ちを悔い正しく生きられる機会を与えるとともに、
そうできない少年犯は皆、強力な法の処罰が必要です。
ただ処罰することがよいということではないが、時には弱い処罰が問題になり、
成長しさらに大きな犯罪者を犯すということを見せてくれました。
「触法少年」という制度が本当に有効性があり、必要なのだろうか?
疑問を残した小学生殺人事件。
裁判の過程で露見する醜悪な犯罪。
しかしその裏に露わになった事実は、一方では寂しさを感じました。
法制度の限界によって殺人を楽しんだ少年犯に許す最高刑量20年。
より大きな刑量を与えることができないということも、少年法の改善についてじっくり考えるようになります。
Netflixドラマ『未成年裁判』のキム・ムヨルが演じたチャ・テジュ判事。
幼い頃、父の虐待による存続殺人未遂で少年院に送られたが、
誰かが正しい道を歩けるよう導いてあげれば
子供の未来は変わる可能性があることを示し、希望を抱かせてくれます。
一番大きな原因は家庭の問題で、これにより事件の始発点になることも
俳優イ・ソンミンが演じた江原(カンウォン)中判事の息子事件と様々なエピソードを結び付け披露してくれます。
家出ファミリーから入試問題など様々な事件を通して見られる寂しさは
法より韓国社会のシステム問題にあるということをはっきり表しています。
息子と関連した事件で離れた江原中部長判事の後任として出席することになったナ・グンヒ部長判事。
しかし、シム・ウンソク判事の鋭い目つきは、二人の間にどんなことがあったのか…。
隠していた5年前の事件が水面上に浮かび上がり、
少年犯を嫌悪するというその言葉の意味を初めて知ることになります。
レンガ投げ事件を法の枠内で解決できなかったことで起こった事件は、
怒りを堪えることができないほど悪辣な犯罪者にしたりもしました。
結局、事件の当事者と遭遇することになり、シム・ウンソク判事の過去の事件は寂しさよりも怒りに近かったのです。
安堵のため息をつきながらそれでも明るい未来を見せてくれたエピソードもあった反面、
え!これで終わったらだめなのに…本当に処罰されずにこんな風に終わるなんて…
そう思ったエピソードもありました。
少年犯という仮面をかぶり法の枠で保護されるなんて
本当にシステム改善よりも強力な法の審判が必要だという考えを強く植えつけてくれました。
少年犯を嫌悪することに、むしろ冷静な判断を下し、正しい道に進ませようとするシム・ウンソク判事。
最後のエピソードは我慢してきたもどかしさが結局爆発し
果してこれが他の誰かの過ちではなく、少年犯自体に問題があるのではないかということと
その時に正していたら、おそらく変わっていたのではないかと考えさせられます。
苦さともどかしさの連続でしたが、
多くのことを考え、変わるべきことは変わらなければならないという信頼がむしろ高まったNetflixドラマ『未成年裁判』。
俳優たちが演技と演出を通し、見過ごせない話を作ってくれたようです。